十五少年漂流記

「八十日間世界一周」「海底二万マイル」など19世紀のSF作家ジューヌ=ベルヌによって書かれた、唯一の青少年向けの作品が「十五少年漂流記」です。
主な購読層は、小学校高学年向けで、少年少女のため推薦された世界文学のひとつです。
登場人物は、8-14歳の少年十五人の物語です。 ささいなことが発端で、ニュージーランドの首都であるオークランド港から、子供のみが帆船に外洋に流されてしまい、約2週間の後無人島に流れつくことになりました。
無人島に流れ着いたため、外部との連絡手段が絶たれたこと。ならびにあまりにも遠距離に流されたため、ニュージーランド・オークランドの残された家族は、海難事故(沈没)として処理されたため捜索が打ち切られたこと。
そのため少年15人のみによる約2年間の無人島生活が始まることとなりました。

少年・少女時代に読まれた人も多く、現在や将来も読まれ続けられるであろう名著であることは間違いありません。
ジューヌ=ベルヌの作品は、非常に広範囲な地理を舞台とすることが多く、この十五少年漂流記も、ニュージーランドを起点として数日間の嵐を経たため、南アメリカ大陸西部域の群島まで流されてしまう(位置は物語の最後ごろに判明します)という地理的・大移動があります。
19世紀になって大洋を渡れる航海技術(汽船の発明と運行)によって生まれた冒険譚のようにおもわれますが、基本的には、ジューヌ=ベルヌの視点で描かれた、理性と19世紀の科学的価値感が色濃く反映された作品といえるでしょう。
無人島生活のモデルとなったとされる島の位置については諸説がありますが、地図のハノーバー島あたりではないかとされています。
物語内の記述や、海抜170cmの人間目線において水平線までの到達距離は約4.65kmで、よほどの高地に上らない限りは、他の島々や大陸を目視できないことからもハノーバー島あたりで、特に矛盾点はないのかもしれません。